テキストサイズ

Happiness day

第28章 Crasy Moon ~キミ•ハ•ムテキ~

何とか彼の口から『考えさせてください』との言葉をもぎ取り、松岡さんの事務所を後にした

車に乗り込み、ニノが苦笑いする

「どうなる事かと思ったよ…大野さんが『一目惚れした』って言った時は…」

「悪い…でも事実だから…
事実を伝えた方が、櫻井さんにも伝わるかと思ったんだよ
お前だって、熱意が伝わればって言ってたじゃん」


帰り際、彼の名刺を貰った

彼の名前は『櫻井翔』…松岡さんのアシスタント兼マネージャー兼秘書

松岡さん曰く『こいつ1人いれば、何でも事足りるんで』ってくらい、優秀な人物らしい


「それは時と場合によるよ…
松岡さんが『彼女と連絡取るのに相応しい相手』って言ったろ?
もしかすると、彼女の恋人の可能性もあるんだよ?
そんな相手に『一目惚れした』なんて言ったら、会わせてくれる訳ないじゃん」

「あ、そっか…」

「でも、違ったみたいね」

「なんで?」

「もし自分の彼女だったら、他人から褒められたら嬉しくない?
それなのに、彼の彼女に対する否定の仕方は本気だった」

「あぁ…あれは、俺も正直ムカついた
そんな否定の仕方ないだろ、って…
自分だって、あんな髪型してるクセにさ
人の魅力を云々言う前に、自分の身なりを正せよ、って話だよな?」

「お?珍しいね、大野さんがそこまで熱くなるの
彼女が『魅力がない』って言われたのが、余程気に入らないと見える」

「うっ……まぁ…そう、だな…」

だって、彼女は俺が選んだ月の女神…

誰だって怒るだろ?自分の崇拝する存在が貶されたら

ストーリーメニュー

TOPTOPへ