
テレフォン -約束-
第6章 灰色の記憶
・・・・ある日
何気なく「おばあちゃん、何かしたい事ある?」と聞いたアタシ
おばあちゃんは
「そうだねぇ、小学校へ行きたい… 勉強がしたい」って、言った
・・・・そういえば、お年玉の袋はいつも震えたような文字で私の名前が書いてあったな…
「りおちゃんへ」
そして、裏におばあちゃんの名前が平仮名で2文字
そんな、おばあちゃんにアタシはそんなに好きでない小学校に、なんとかなんとか行かせてあげたいって子供ゴコロにあれやこれやと考えていました
それくらいにおばあちゃんが好きでした
そんな、おばあちゃんは勉強するアタシを見ながら
「りおちゃんは字が綺麗だね」って
優しく優しく
ニコニコと笑っていました
おばあちゃんの前で、好きじゃない勉強をすることしか、アタシにはしてあげることはありませんでした
