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テレフォン -約束-

第6章 灰色の記憶




・・・・そんな年の冬休み

いつものように地方都市、田舎のおばあちゃんの所へお姉ちゃんと向かった


おばあちゃんは必ず、可愛い服と絵本をアタシ達に買ってくれました

親戚の叔父さんや叔母さんは、アタシ達が罪を犯した訳ではないと分かっているけれど

やっぱり、あのお父さんの子供であるアタシ達を手放しで歓迎する来客ではなかったようで

厄介モノであるのは視線が訴えかけているように感じ

お父さんの話をしないことが逆に皮肉に感じるようで

大人のアレルギー反応は幼き姉妹にも、なんとなく伝わりました


そんな中でも、おばあちゃんは沢山孫はいたけど、離れている分なのか、あんなお父さんの子供であるのが不憫に思えたのか惜しみない愛をくれました


いつも


いつも


手を繋いでいてくれました


部屋の中でも並んで座ってくれて

ニコニコしながらよく来たねって手を繋いでくれました


優しい手


アタシが知ってる中で、一番優しい手

幼きアタシが人間愛を初めて感じた温もりでした



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