ホントノ私ハ、此処ニイル
第2章 第2話
「毎度どうも。カツラギ資材です」
作業場に入って行くと、もう夕方のためかパート社員の方々の姿は見られませんでした。
「あ、ども。いつものとこに置いといて」
そこには、おそらく今日最後と思われる刺身の盛り合わせを作っていたサブマネージャーの木村さんと、発注作業をしていたマネージャーの渡辺さんの二人だけ。
「はい、わかりました」
渡辺さんに声をかけられ、わたしはいつも資材を置いている作業場の奥の棚へとむかいました。
残念ながら、今日はもう飛び散るウロコも、内蔵を掻き出す手もみられないようです。
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