
ホントノ私ハ、此処ニイル
第2章 第2話
それに対し、今度のマネージャーさんは色黒でガタイもよく、どちらかと言えば出刃が向いてるのではないかと勝手に思っています。
内蔵を処理したあとの血のついた手元がやけにお似合いで、それを洗い流していた横顔に惹かれてしまいそうでした。
どうやら社内では「この人が切ると刺身の味まで違う」と言われるほどの腕の持ち主だとか。
包丁を手にしている姿を思い浮かべるだけで、どんどん想像が膨らんでしまいます。
叶うものなら、一度でいい、扱われる魚になってみたいものです。
