
【参加型小説・連鎖の尻尾】
第12章 “丞洪寺”と“古浄流神社”
「ガゥ――――グルっ…グルルル」
犬の返事らしいものが煌太の耳に聞こえてきた。
「多分――――車の中は大丈夫…みたいで。カムイが守ってくれている?」
「煌太君――――…カムイの声が聞こえるの?」
高田はキョロキョロと周囲を伺う煌太に聞く。
「声だけ――――…カムイの場合は犬っぽい声が聞こえます。何を言ってるかは全くですが…なんとなく…返事をするので」
当然聞こえだした見えない者の声に煌太は戸惑う。
しかし、カムイの声は安心できた。
「高田さんはカムイの声は聞こえないんですか?」
「残念ながら…一度も聞いたことはないですね……またに、気配や雰囲気を感じますが…」
高田も不安そうだがカムイが近くにいると思うと少しだがホッとしていた。
