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【参加型小説・連鎖の尻尾】

第5章 足跡と臆病な助手


ペガサスが白馬のワクワク顔を見てため息をついていると、ガチャリとガラスの向こうの扉が開いた。



「お待たせしました――――」



そう言う声と共に、開かれた向こう側の扉には…病院服に身を包んだ男性が立っていた。



「成小坂――――…」


ペガサスがそう呟くと白馬は扉から入ってくる人物をまじまじと見つめた。



「お久しぶりです…浅沼さん」


向かい合う壁の前の置いてある椅子に座ると成小坂は頭を下げた。



「成…小坂?」


白馬は目の前に座る成小坂を見ながらペガサスに確認を取る。



「――――…元気――――か?」


「ええ――――浅沼さん…すみません…」


白馬は卒業アルバムの成小坂しか知らなかったが、雰囲気や見た目はあまり変わっていないと思った。


「浅沼さんに…忠告されていたんですけどね……ストレスになることは避けろって…」


「まぁ、ストレス社会だ…ストレスを感じない人間なんてこの世にはいない…」



成小坂はペガサスと一通り挨拶を交わすと、チラッと白馬を見た。


「珍しいですね…猫ですか?」


「少しは癒されたか?アニマルセラピーだ」



「猫?――――…」


白馬は成小坂が何を言っているのか検討もつかない。


「近くにはいないみたいだな――――…どこに行ったか…心当たりはないのか?」



「――――全く…俺は成功したと思っています」





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