
【参加型小説・連鎖の尻尾】
第5章 足跡と臆病な助手
「そう――――…みたいだな…痕跡はあるが…ここじゃない…残りカスってぐらいの痕跡だ」
「ですよね――――…俺もそう思います。でも、何処で落としたのか…消えたのか…記憶が曖昧で分かりません。
多分、熊田さんを手にかけた時だとは思いますが…記憶が――――…」
成小坂は“すみません”と頭を抱えうずくまった。
「無理はするな――――…痕跡はたどれる…それと、熊田さんに手をかけたのは…本当にお前なのか?アイツじゃないのか?」
「分からないんです…本当に――――…」
記憶が曖昧でこの精神病院に収容されている成小坂だったが…本当に記憶がないらしく――――…捜査は進んでいないのは確かそうだ。
「本当に――――…何も思い出せないのか?断片でも…その前後でも…」
白馬は成小坂に“思い出せ!”と、言わんばかりに食い下がる。
