
【参加型小説・連鎖の尻尾】
第5章 足跡と臆病な助手
白馬は聞き込んだ人たちのメモを見せて、時折――――熊田を止めようとする成小坂を見た…と言う証言もあったことを告げた。
「止めようと…していた?」
「ええ――――でも、その場面に居合わせたり通りがかかったりと…ちゃんと止めた事は一度もなかったみたいです」
ペガサスが驚いていたが白馬が被せるようにガッカリエピソードを付け加える。
「まぁなぁ…成小坂は基本…引っ込み思案で目立つタイプでもなかったからな…いじめを止めるって…かなりの勇気がいるからな――――…ましてや、昔し自分がいじめられていたって経験のあるヤツからしたら…いじめている相手は驚異の対象だ」
成小坂は熊田の周りを警戒はしていたものの…注意や警告――――ましてや、大学側に相談ってのもしなかったに違いない。
しかし、その熊田を欲している霊が自分の周りで機会をうかがっている訳だから――――…パニックに近い状態だったのかも知れない。
