
【参加型小説・連鎖の尻尾】
第5章 足跡と臆病な助手
舞台の設営や背景美に憧れていた天野さんは、勉強のために演劇サークルに入ったのだと熊田に言ったものの――――…鼻で笑われたりと…ことごとくプライドを傷つけられたと怒っていた。
「彼女は自分が可愛いと、自負していたと思いますが…天然美人とは絶対競わなかったので――――…おかしいと思っていたんです」
天野さんは、その後――――熊田が化粧美人だと言うことを知り…なんともいたたまれなくなったと言う。
「あれって…同族嫌悪ってやつだったんだと思うと…何だか哀れで――――」
“哀れで…”と言うわりには天野さんの口角は心なしか上がって見えた。
