
【参加型小説・連鎖の尻尾】
第5章 足跡と臆病な助手
同じサークルではなかった天野さんだったが、飲み会で何度か会い目をつけられた――――…と、言うことらしい。
「彼女は最初は優しかったんですけど…徐々に“いじり”と言うか…私の地味な容姿をからかってきて…」
彼女はうつむきながらボソボソ声で話す。
「ちなみに…天野さんのサークルは?」
「演劇サークルです」
「――――演劇…ですか」
白馬は煌太の顔を見て苦笑いをした、多分失礼な事を考えているのだろうと思うと、煌太は、諭すよう睨見返した。
「あ――――…“地味なくせに演劇かよ”って、思いましたよね?……よく言われるんで反応は見なくてもわかります…でも、私は“舞台背景”や“舞台設定”の勉強のためにサークルに入ったのであって……俳優志望ではないんです。
――――彼女は、私が俳優志望だと勝手に思い込んで、意地悪な事ばかり言ってきたり…笑ったりと……私のサークルでのポジションも知らないで…」
彼女は呆れたような、少し怒りのある声で二人に告げた。
