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ふぃくしょんエッチ

第3章 トウメイニンゲン

俺の問いかけに徐に口を開いた男。

またの名をリチャード・ブルックス。


「そうだ、俺は大虐殺をした。
子供、その家族、全員を」


横の立っていた女は腰が抜けたように
へなへなと座り込み口を手で覆っている。


知られざる、裏の顔…か…。


そんな女の姿を一瞬目を入れたが
また淡々と話し始める。


「しかし、この実験には必要だった命。
積み重ねた沢山の命が
私を高みへと導いたのだ。
この命は全て無駄ではない。
希望の溢れる未来への
大きな糧となる道を作り出したのだから』


顔色1つ変えずに男はいった。


無駄ではなかったと。

必要なものであって仕方なかったと。



……………………なら。





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