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やさしく愛して

第1章 やさしく愛して

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 食事は、恒さんが、特注していたという、伊勢海老とあわびがいっぱいだった。
 「霧子さん。
  あまり飲みすぎないでね。
  また、
  ソファーでお守りをするのは、
  きょうは嫌だからね」
 「もう」
 「あはは
  うふふ」
 食事がすんで、また露天温泉に入った。
 恒さんは、わたしを、お湯の中で後ろから抱きかかえてくれている。
 「ほんとに、
  ゆったりした気分だわ」
 「そうだね」
 「恒さん。
  大好き」
 「私も、
  霧子さんが、
  大好きだ」
 「ねぇ、
  キスして」
 恒さんは、首をまわしてキスしてくれた。
 わたしも、恒さんに体をあずけたまま、唇をあわせる。
 なんと優しいキスだ。
 唇をあわせているだけなのに、わたしは溶けていく。

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