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「んで？翔、どうすんの？
智と付き合うの？
憧れてたんだろ？智に」

「そう…だけど…
あくまでも憧れてたのはダンスに、だから…」

「え〜、いいじゃん付き合っちゃえばぁ
こんな奇跡なかなかないよ？」

そんなことはわかってる…

俺だってこの奇跡的な出来事に驚いてる

でも展開が急過ぎて…気持ちの整理がついてかない

智くんに惹かれ始まってたのは認める

だからと言って
憧れの人と智くんが同一人物ってわかった途端『付き合います』ってなるのもなんかなぁ…

智くんに『憧れてた人だから付き合う』って思われたくない

俺はダンスを踊る智くんに惹かれたんじゃないから
普通の高校生の智くんに惹かれたんだ

結局、智くんは智くんなんだから一緒と言えば一緒…

でもタイミングがなぁ…

こんな事なら智くんと彼が同じ人って知らない方が良かったのかも

なんてグルグル考えてた俺の手を
テーブルの下で智くんの手がそっと覆った

「翔ちゃん…無理しないでいいよ？
翔ちゃんが好きになってくれるまで待つって言っただろ？」

俺を優しく見つめ気遣ってくれる智くん…

そうだよ…俺はこの智くんに惹かれたんだ

掌を上に向け智くんの手をぎゅっと握り返した

「ふたりとも見つめ合っちゃってぇ
も〜ラブラブじゃ〜ん」

「あ〜邪魔すんなよ、雅紀
せっかく良い雰囲気だったのに〜」

ふたりの声にハッと前を向けば
ニヤニヤしてる奴らと目が合った