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take a breather

第19章 ROMANCE

「あー!もう!翔のせいで負けたじゃねぇか!」

バトル大会が終了し
小腹を満たすために4人で本日2度目のファストフード店へ

決勝戦で戦った智くんと潤…

結果、今年は智くんが優勝で潤が準優勝で幕を閉じた

「なんで俺のせいなんだよ
智くんの方が上手だっただけだろ」

「わかってないねぇ…
智の本気スイッチ入れたのお前だから」

「俺っ⁈俺なにもしてないじゃん」

「お前の憧れてたダンサーが自分だってわかったから
智のボルテージが上がっちまったんだろうが」

あの後、あの動画を4人で観て
『憧れの君』が智くんだと正式に判明した

「そんなこと言われても…
俺だって知らなかったし…」

智くんの雰囲気からして
ダンスをする人なんて思ってもみなかった

普段の智くんとダンスをしてる時の智くんは、まるで別人…

同じ人だなんて、今でもちょっと信じられないよ

「そもそもお前が『ダンスが上手い人に憧れてる』なんて話した時点で
智の気合いが入っちまってたんだよ
見えない敵にライバル心剥き出しでさぁ
今日、翔がここにいるの知ってたから
最高のパフォーマンス見せるんだって
スゲェ練習してたんだぞ?」

「そうなの?」

隣に座る智くんに聞くと、笑って『うん』と頷いた

「ほらな?だから俺が負けたのは翔のせい」

「翔ちゃんのせいにするなよ
潤相手ならどっちにしろ、そんな本気出さなくても勝てるし」

智くんが落ち着いた様子でコーヒーをグビッと飲んだ

「んだとーっ!
だからお前はクソ生意気なガキだって言うんだ!」

「俺がガキなら潤はお子ちゃまだな
ガキ相手にそんなムキになって」

至って冷静な智くん…
これが潤が言ってた『クソ生意気』な智くんか

確かに潤にしてみればクソ生意気な態度なんだろうけど
自分の踊りに自信があるからなんだよね

その自信満々な姿をカッコイイと思えてしまうのは俺だけなのかな…

「それにしてもさぁ
すっごい運命感じるよねぇ〜」

雅紀は目をキラキラさせて
俺と智くんを交互に観る

元々こいつ、俺と『憧れの君』とやらをくっつけたがってたもんな…

そりゃ瞳もキラキラ輝くよ

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