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「ね…あの最後の人だよね？
翔の憧れの君」

「う、ん…多分、そうだと思う…」

いざとなるとやっぱりドキドキするもんだな

雅紀がガシッと肩を組んできた

「よかったね〜、会えて」

『会えて』じゃなくて、『見れて』なんだけど

細かいことはまぁいいか…
見れてよかったことに変わりない

『大変お待たせいたしましたー！
ダンスバトルの開幕です！
ダンサーたちの熱い闘い
是非是非ご覧あれ〜♪

最初の対戦は〜…コイツらだぁ』

MCがその場から少し下がると
中央に立っていたダンサーふたりが前に出た

「始まったね」

「うん…」

この順でいけば
一回戦、潤は最後から2番目
彼は最後の対戦かな？

ソワソワして落ち着かない
早く彼のダンスが観たい
対戦が進むにつれワクワクも加速する

潤の番が回って来た

「いけー！潤！」

大声で応援する雅紀

いつもの踊りとは違う…男の色気を漂わせながらダンスで相手を挑発する

よく知ってる奴だけど不覚にもカッコいいと思ってしまった

観客たちも盛り上がり歓声をあげる

「やっぱ凄いな、潤…」

雅紀がボソッと呟いた

「あぁ…俺たちと踊ってる時とはケタ違い…」

「もっと頑張ろ…」

「うん…俺も…」

潤の対戦が終わり
とうとう彼の出番…

『1回戦最後の戦い！
思いっきりやりあってちょうだい！』

MCが最後のふたりをステージ中央に招く

「ほらっ！来たよ、翔！」

「う…うん…」

雅紀が俺の肩に腕を回しギュッと抱き寄せる

俺よりテンション上がってんじゃん