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take a breather

第3章 このままもっと

そんな智くんはさて置き
ふたりの関係がどう発展していったのか、まだまだ気になる俺は質問を続けた。

「友達から恋愛感情に変わるってどんな感じなの?」

「さっきも言ったけどさ、俺の場合ほんと突然だった
ハッと気付かされた感じ。

なんで今までわからなかったんだろうって不思議なくらいだったよ」

「ニノは?最初から潤のこと友達じゃなく、恋愛感情で見てた?」

「ううん。俺も初めは友達からだよ。
俺の場合はじんわりだったけどね」

「じんわり?」

「うん。俺、子供の頃から基本何でもひとりでこなせたから人に頼ったり甘えたりってしてこなかったの。
ある程度成長するとさ、変なプライド持っちゃってるから今更甘えられないっていうのもあって
けどさ、潤くんは自然と甘やかしてくれたんだよね。
本人わかってないと思うけど」

「そうか?俺からしてみればニノが甘えてるとこなんか見たことないけど」

「ふふっ、だから、甘えられないんだってば。
でも、食事に行こうってなったとき、決まって俺がハンバーグって答えてたでしょ?」

「それでよくニノと潤が揉めてたよな」

「そう。でもそれってね、潤くんが『またぁ?』とか言うんだけど、2、3言文句言うと『仕方ねぇなぁ、いいよハンバーグで』って潤くんが折れるんだよね」

「まぁ、大体それで決着着いたよな。
俺は折角決まったのに振り出しに戻したくなかったし、智くんはたぶん何でもよかったんだろ?」

そう智くんの方を見て確認すると、相変わらず刺身を頬張りながら『うん』と頷いた。

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