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take a breather

第3章 このままもっと

「どんな課題よ」

一年間こっちに来られなかったなんて相当な事やらされたんだろう

「一年間カズと同居すること」

「へっ?それだけ?」

なんか拍子抜け…好きな相手と同居出来るなんて寧ろ嬉しい話。

「そう、それだけ」

「だったら楽勝だろ」

「ま、普通はそう思うよな。
でもさ、俺の気持ちが本気かどうか確かめるための同居だから、その間手出ししちゃダメって」

「手出し駄目?ただ一緒に暮らすだけ?」

潤は頷くと苦笑いした。

「考えてみろよ。好きな相手がすぐそばで寝てんのに何も出来ない状況。 
しかも、外で息抜きしないようにって予定は全部把握されてて、外泊は禁止。
それが一年続くんだぞ?マジしんどいって…
高校の時、言うこと聞かなかった罰なのか、って思ったよ」

「でも今付き合ってるってことは達成したんだろ?その課題」

「勿論したよ。俺の気持ちが本物だって絶体分からせてやるって
半分意地だよな」

「頑張ったなぁ…潤」

心底同情するよ…

「この一年はほんと蕀の道だった。
まぁ、その蕀の道を自ら進んでるヤツもいるけど」

潤の視線がチラッと智くんに向いた。

向けられた智くんの方は気が付かないのか、あえて無視しているのかわからないが、モグモグと旨そうに刺身を食べていた。

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