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take a breather

第19章 ROMANCE

「ごめんね…翔ちゃんジェットコースター苦手だった?」

「苦手…だったみたい…
遊園地って全然行かないから知らなかった」

「え?遊園地に遊びに行かないの?」

「うん。中学の時にここに来た以来…
しかもその時も混んでて
コースター系は山のやつしか乗れなかったんだよね」

「あ〜、なるほど…」

智くんは優しく微笑んで納得してくれたけど
こんな失態晒して、俺としては申し訳ない…

「ごめん…迷惑掛けて」

「ん?どこが?」

智くんが不思議そうに首を傾げる

「乗ってる時も…今も…」

「迷惑じゃないよ?
それどころか、可愛い翔ちゃん見られてラッキー
って言ったら怒られるか?
翔ちゃんは俺のせいで怖い思いしたんだもんな」

智くんが苦笑いする

「ううん。智くんは何も悪くない…
俺自身、大丈夫だと思って乗ったんだから」

「よかった…翔ちゃんに嫌われちゃうかと思った
意地悪な人は嫌い、って」

「意地悪じゃないよ
いっぱい助けてくれたじゃん
凄く頼りになったよ?
智くんの方が俺のこと呆れたんじゃない?
『年上のクセにだらしないなぁ』と思ったでしょ?」

「思わないよぉ。それよりも役得?
翔ちゃんのこと抱けちゃったし」

抱けた?って乗ってる時に肩に手を回されたやつ?

あれってそう言われるとそうなのか…

押さえて貰ってるとばかり思ってたけど
智くんがそんな風に考えてたなんて…

急に恥ずかしくなって俯いた

「んふっ…翔ちゃん、顔紅い〜」

俺の顔を覗き込む智くん

「とっ、年上を揶揄うな…」

否定する語気が弱くなる…

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