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take a breather

第18章 君への想い

「智、今夜も温泉行く?」

ホテルの廊下を歩きながら翔くんに尋ねられた

「うんっ、行く!
風ちゃんも一緒に行こうよ
凄く良かったよ?」

昨夜は眠くて行けなかったけど
今日の風ちゃんは大丈夫そうだから誘ってみた

「俺は部屋の風呂でいいっす」

「え〜、気持ち良いのに〜」

「お気持ちだけ頂きます
おふたりでゆっくり浸かって来てくださいよ」

「おう。智、準備出来た迎えに行くな?」

「うん、待ってる」

部屋の前で翔くんと別れ
着替えの準備をすると、それを持ったまま
翔くんが来るのを待った

「櫻井さん来るまで待ちきれないですか?」

「そんなことないけど
少しでも早く出られるように準備してるだけだよ」

「ははっ!それが待ちきれないって事でしょ」

可笑しそうに笑われてしまった

トントン…

『智』

ドアの向こうから翔くんの声が聞こえる

「はーい。じゃあ行って来るね」

翔くんに返事をして、風ちゃんに声を掛ける

「ごゆっくり〜」

風ちゃんがベッドの上で手をヒラヒラと振った

ドアを開けると翔くんが笑顔で迎えてくれる

「行こっか」

「うんっ」

翔くんが部屋の中を覗き込んだ

「風磨!寝るなら鍵閉めろよ」

「了解っす!」

親指を立て答える風ちゃんを見て
翔くんは部屋のドアを閉めた

「今日は寝ないと思うけど?」

翔くんを見上げてそう言うと
翔くんはニコッと笑った

「ん?まぁ、念のためな?」

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