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take a breather

第3章 このままもっと

「それにしても4人で会うのほんと久しぶりだなぁ。
去年の正月に俺と智くんが帰った時以来か?」

「だな。この一年訳あってこっちに来られなかったから」

「なに?なんか大変なことでもあったの?」

「ん~、大変って言えば大変?」

ジョッキに口をつけながら潤がニノの方を見た。
意味ありげなその視線…少しにやけてるし。

「ニノも絡んでんの?」

「ん、絡んでる。ってか、カズしか絡んでない」

『カズ』?潤ってニノのこと『カズ』って呼んでたっけ?

「なに?どういうこと?」

潤はニヤっと笑うと、ニノの肩を抱き寄せた。

「俺たち付き合い始めた」

「……はっ⁉」

付き合い始めた?どういう意味?
今までだって友人としては付き合ってた…ってことは別の意味?

「よかったな、ニノ」

そう祝いの言葉を発したのは隣に座る智くん。
その様子を窺い見ると、驚いて言葉が出ない俺とは違い、嬉しそうな笑みを浮かべていた。

なんでそんなに冷静なの?

「ありがとう、大野さん」

こちらも嬉しそうに笑みを浮かべるニノ。
なんか俺だけ取り残されてない?

「なんで⁉なんで智くんそんなに落ち着いていられらるの?
潤とニノが付き合うって、恋人としてってことだろ?」

「まぁ、それ以外わざわざふたりで報告に来ないよなぁ」

捲し立てる俺に対し、のんびりと答える智くん。
だからどうしてそんなに落ち着いていられるんだよ!

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