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take a breather

第3章 このままもっと

「智は知ってたんだろ?カズの気持ち」

「んふっ…まぁな」

「え?知ってた?知ってたっていつから?」

智くんそんなこと一度も話したことないじゃん。

「失礼します!」

店員の声がして扉が開いた。
話の続きは気になるが、他の人がいるところで出来る話じゃないし…

仕方なく料理が並び終わるのをビールを飲みながら待った。

「うわっ、旨そう」

刺身の盛り合わせの皿が置かれると智くんが声をあげた。
いつもなら同調するけど、今の俺はそれどころじゃない…

「失礼しました!」

店員が頭を下げ、扉を閉めた。

「ほらカズ、ハンバーグ」

鉄板に乗ったハンバーグを潤がニノの前に置いた。

「美味しそう。ありがとう潤くん」

ハンバーグを嬉しそうに見た後、潤の方を向きニコッと笑うニノ。

「へぇ~、この店ハンバーグなんて置いてんだ」

「そっ、カズの為にハンバーグがある店探したんだよ」

「愛されてんなぁ、ニノ」

智くんの言葉にニノはハニカミながらも頷いた。

「ほらカズ、熱いうちに食べな?」

「うんっ」

微笑み合うふたり
ほのぼのとした雰囲気はいいよ?いいんだけどさ…

ニノが箸を手に持った

「いただきまーす」

幸せそうにハンバーグを頬張るニノ。

「翔くん、どうしたの?食べないの?」

動かない俺を不審に思ったのか智くんが聞いてきた。

「その前にさっきの続き!」

こんなモヤモヤを残したままメシなんか食えないよ。

「あ~、いつから俺がニノの気持ち知ってたかってこと?」

俺はコクコクと首を縦に振った

「高校の時、だな」

「へっ…高校?」

そんな前?
俺、全く気付いてなかったんですけど…

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