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「好きって言わないんですか？」

「誰に…」

「櫻井さんに決まってるでしょ」

「…そんなの…言えるわけないじゃん…」

「なんで？」

「なんでって…
男同士だし…」

「それだけの理由？」

「それだけって、1番大きな壁だろ…
そもそも男が男を好きになる事が間違ってるんだから…」

「間違いかなぁ？
今どき、そんな考え古くないですか？
法律で認めてる国もあるのに」

「風ちゃんはおかしいと思わないの？
僕のこと…」

「全然」

ハッキリと言い切る風ちゃんに
少し救われた

今まで誰にも言えず、隠してきた想い…

それを風ちゃんは事もなげに受け入れてくれてる

「ありがと…」

「なんです？急に」

「僕の想いを否定しないでくれたから…」

「否定なんかしませんよ
俺も男好きになったことあるし」

「えっ⁉︎嘘っ！」

「ほんとっす。俺、男子校出身なんで
正直言うと、珍しい事でもないんですよね」

「そうなの？」

「はい。だから櫻井さんも大丈夫なんじゃないですか？
櫻井さんも男子校ですよね？」

「うん…そう言ってた
でもそれだけの理由で大丈夫って安直じゃない？」

「櫻井さん自身が男と恋愛したかは別として
おそらく周りにはいたと思いますよ？
だとしたら、あの人のことだからその人たちを否定するような真似しないでしょ？」

「うん…しないと思う」

グタグタに酔っぱらった僕でさえ
嫌な顔ひとつしないで相手をしてくれる翔くん

そんな心の広い翔くんだもん
人を否定する事なんてきっとしない