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take a breather

第18章 君への想い

朝食を食べにレストランに行くと
またあの親子に話しかけられている翔くんがいた

爽やかな笑顔で応対してるけど少し困ってるように見えるのは気のせい?

どちらかといえば母親の方がグイグイと翔くんに話しかけ
娘さんの方は少し俯き気味

翔くんの口が『わかりました』と動く

その瞬間、娘さんの顔が上がり
頬をピンクに染め嬉しそうに微笑んだ

母親も嬉しそうに頷き
お辞儀をしてその場を立ち去っていく

「櫻井さん、おはようございます」

風ちゃんが挨拶をすると
翔くんはこちらを向き
一瞬気まずそうな表情を浮かべたけど
すぐにいつもの翔くんに戻った

「おはよう風磨」

「また何か言われたんですか?あの親子…」

「ん?あぁ…昨夜、食事断っただろ?
だから今日はランチを一緒にどうですか?って」

「ふ〜ん…それで?受けたんですか?その誘い」

「ん…断ったんだけどね
母親の方がなかなか引いてくれなくて…
昨夜、お前たちと一緒に食事に行ったの見られてたみたいでさ
あの二人と行ったんだから
私たちだっていいでしょ?って…」

「そう言われたら断れないですよねぇ…」

「ん〜、お客様のご要望にはなるべくお応えしないとな
しかも他のお客と行ってるともなれば余計だよな
あちらは俺とお前たちの関係知ってる訳じゃないし
あくまでも今回のツアーは客として参加してるからな」

「まぁ、ランチくらいならいいんじゃないですか?
娘さんとふたりでデートとかじゃないんでしょ?」

「うん。そこは念押ししといた
仕事中だからふたりきりは駄目だって」

仕事中だから駄目…
じゃあ仕事中じゃなかったら?
デートの誘いでも乗るの?

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