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take a breather

第18章 君への想い

「あの…どういう状態?
翔くんが抱きしめてたって」

「だからぁ、大野さんが櫻井さんにしがみついて離れなかったんです
でも櫻井さんの部屋シングルでしょ?
連れて帰らないと、と思って
俺が大野さんを引き離そうとしたんですよ
そしたら櫻井さんが大野さんのこと俺から守るように抱きしめて
『いいからここに置いてけ』って」

守るように…

「嬉しいですか?」

風ちゃんの声にハッとする 

「べ、別にっ…なんで僕が…」

「顔…ニヤけてますけど?」

「えっ…」

ヤバイっ!顔に出ちゃってた?

両手で両頬をペチペチと叩く

「今更そんなことしなくてもいいですって
大野さんが櫻井さんのこと好きな事はなんとなくわかってましたから」

「……え」

「気付かれてないと思ってました?」

「…うん」

「確信があった訳じゃないんですけどね」

若干苦笑い気味の風ちゃん

「ねぇ…いつから気付いてた?」

「最初からっすかね?」

「最初?最初っていつ?」

「初めて櫻井さん紹介してもらって
3人で飲んだ日です」

「あの時?なんで?」

「大野さんが昨夜と同じ状態だったから」

「昨夜?」

「ベロベロに酔って
櫻井さんにしがみついてました
櫻井さんに聞いたら『いつものことだよ』って言って笑ってましたよ?」

「やだっ!僕、凄い迷惑な人!」

「だから大丈夫ですって」

「なんで風ちゃんがわかるのさっ
翔くんじゃないのに」

「駄目なら自分から誘わないでしょ?
『智の奢りで飲みに行こう』なんて
しかも俺も行こうとしたら邪魔扱いされたし」

「あ…」

確かに…

「ね?だから大丈夫なんです」

「う、ん…」

ちょっと不安は残るけど
今朝の翔くんもいつもの翔くんだったし

大丈夫…なのかな?

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