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take a breather

第3章 このままもっと

「だってさぁ、絶対無理だもん。
智くん以外の人に甘えるなんて」

「えっ⁉えっ⁉ちょっと待って?
なんでそれで『恋人いらない』になるの?」

「だから、無理だって言ってるじゃん」

「いや…そう、だけども…」

「だからもういいや。 
元々コクってきたのはアイツだし?
俺、アイツのことそんな好きじゃなかったみたいだし?」

「好きじゃなかった?」

「そう。アイツがね、『翔は完璧な恋人同士になりたかっただけだ』ってさ。
それ聞いて『あ~そうかも』って納得しちゃった」

「そう、なんだ…」

「だからさ、これからも一緒にいてくれる?」

やっぱ甘えすぎかな?
いい年した男が…

「いいよ」

即答してくれた智くん
俺のこと見捨てないでいてくれる?

「…いいの?ほんとは呆れてるんじゃない?
こいつドンだけ甘えてんだよ、って…」

「そんなこと思わないよ。
それに翔くんが恋人いらないって言うなら俺もいらない。
だからさ、いつまでも一緒にいよう?」

「流石にそれは悪いよ」

「いいんだよ。
俺が甘やかしたいのは翔くんだけなんだから」

智くんがいつもの優しい笑顔を向けてくれたのに
その笑顔を見た瞬間、俺の心臓はいつもと違う鼓動を刻んだ。

「さっ、寝っか。
明日は潤の相手するから寝溜めしとかないと」

「あ、うん…」

いつもなら『寝溜めは出来ないって』ってツッコむのに、戸惑いを感じてる俺はそれどころじゃなかった。

「おやすみ」

「…おやすみ」

なんだろ…なかなか眠りに就けない

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