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take a breather

第13章 Monster

「信じられなくてもいいよ
翔はおいらの事好きなんだろ?」

「う、ん…」

「なら、それだけでいい…
昔の記憶を持って生まれて来るなんて思ってなかったし
おいらが今 好きなのは翔だから」

「智くん…」

「翔…好きだよ…」

そう囁きながら智くんの唇が俺の唇に触れる

さっきされたキスの相手は間違いなく智くんだ

唇から体中にしあわせが広がっていく

こんな触れるだけのキスなのに

涙が出そうになるくらいしあわせ…

今のこの気持ちも
出会った時に『離れちゃダメだ』と感じた気持ちも
俺がショウタだったから?

俺の中に…自分ではわからない奥底の方に
ショウタの頃の記憶が残っているんだろうか…

「翔…考えなくていいから感じて?
考えたってきっと答えは出ないよ」

今度は少し食むようにキスをされる

さっきよりも熱い想いが体中に行き渡る

智くんを見つめ素直に想いを告げる

「智くんが…好き…」

「うん…それでいい…」

嬉しそうに微笑んだ智くんからまたキスが贈られる

「んっ…智くん…好き」

「おいらも…翔が好きだよ」

そう言いながら何度もキスをくれる

もう、なんでもいいや…

智くんとこうしてる事がしあわせだから…

過去じゃなく、これからを智くんと生きていくんだから

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