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take a breather

第10章 Lotus

智くんに『Lotus』の袋を決めてもらわないと…
今日のメインはこっちなんだから

元々文字とロゴマークは決まっていたから
その大きさと位置と袋の色を見て貰う

「袋の色なんだけど、三色用意してみた
看板は黒地だったでしょ?
でも食品入れるから黒じゃない方が良いのかな、って」

袋のサンプルを作業台に出した

黒とブラウンとベージュ…

智くんが3枚の袋を手に取って見つめている

「どう?泥中から出てくるからその色っぽいものを、って考えたんだけど」

「うん、たしかに黒はないな…
あの絵にはベージュがいいと思う」

「やっぱり?俺もそう思ってた
看板は真ん中の白抜きが大きめだから蓮の絵が目立ったんだけど
袋にするとバランス的にそんなに大きく入れない方が良いと思うんだ
そうなると絵が生きるのはベージュかな、って」

「うんうん…」

ファイルからサイズの違う文字と絵を切り抜いた紙を出す

「これを袋の上に置いて
バランス的にどれがいいか決めて?」

智くんが一枚の絵と文字を手に取り袋の上に置いた

「大きさはこれ」

即決だな…

「他のは試さなくていいの?」

「うん、大丈夫…
俺のイメージしていた通りだから」

「ふふっ…智くんってなんでもイメージするんだね」

「イメージしておけばそれを実現させれば良いんだぞ?」

「まぁそうだけど…
もしかしてパン屋になる事もイメージしてた?」

「おう!もちろん!」

ある意味凄いぞ…

今回の袋の件はイメージしておけばすぐに決まる
でも夢を叶えることはいくらイメージしてたって容易な事じゃない

それを当然とばかりに自信満々に言い切るとは…

きっと智くんは 自分のイメージした事を全て実現させ続けて来たんだろう

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