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take a breather

第1章 Now or Never

食後に手作りのレアチーズケーキを出すと、大きな目を更に大きくして『凄いっ!』と感激してくれた。

「はぁ~、美味しかったぁ」

ケーキはカットせず、ふたり並んで突っついて食べた。

半分以上食べてくれた翔くん。

「よかった、喜んでもらえて。
正直、ドキドキだったんだよね。
手料理食べさせてあげるなんて言っておきながら不味かったらどうしようって」

「そんな心配全然要らないよ?
ほんっとに全部美味しかったんだから」

「翔くんの食べっぷり見てればわかるよ。
ほんとに旨いと思ってくれてるんだなって」

「そんなにわかりやすい?」

「うん、わかりやすい。
こんなに喜んで貰えるなんて思ってなかったからさ、すっげぇ嬉しかった」

「俺も嬉しかった。
ケーキまで手作りなんだもん」

「なら、ギブアンドテイクだな」

「ふふっ、俺の方が得してるけどね?」

「そんなことないよ。
翔くんの幸せそうな顔見られたらそれだけで十分」

翔くんの頬が少しピンクに染まる。

「智くんってさ、『何で今まで恋人いなかったの?』って不思議になるくらい口上手いよね」

「だからぁ、俺は本当に思ったことしか言えないの。
口なんか上手くないって」

「でもさ、智くん人のこと褒めてばかりじゃん、モテたんじゃないの?
女の子って褒められると好きになっちゃったりするでしょ?」

「俺、翔くん以外の人褒めたことないよ?」

「それも不思議。素敵な人なんていくらでもいるのに」

「ん~、いるのかなぁ…俺にはわかんね。
翔くんだけなんだよなぁ、一目見て衝撃受けたの」

「衝撃受けた?どんな風に?」

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