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take a breather

第1章 Now or Never

心臓が落ち着かない中、翔くんの為にオムライスを作った。

「よしっ、出来た」

「すご~い、キレ~」

薄焼き卵でチキンライスを包むと、翔くんの尊敬の眼差しが俺に向く。

「そんな大したもんじゃないよ。
あとはケチャップ掛けて~」

ケチャップで定番のハートマークを描いた。

「可愛いっ」

そんなこと言っちゃう翔くんの方が可愛いけどね。

「さ、あっち持ってって食べよ?」

「うんっ」

小さなテーブルに、ふたり分のオムライスとサラダとコーンポタージュを置いた。

「美味しそう~」

「冷めないうちに食べて」

「うん、いただきます!」

「あっと、その前に」

「え?なに?」

「誕生日おめでと、翔くん」

アイスティーの入ったグラスを翔くんに向けた。

「ありがと」

翔くんは笑顔でグラスをカチンと当てた。
ふたりでグラスに口をつける。

「来年はアルコールでお祝いしようね」

「来年も一緒にお祝いしてくれるの?」

「もちろん!」

翔くんは嬉しそうに微笑んだ。

「さ、今度こそ食べて食べて」

「うん。いただきますっ」

スプーンで掬い口に入れた。

「おいひぃ~」

「ほんとっ?」

「んっ、ほんろ」

「よかったぁ~」

笑顔でモグモグと食べる姿を見てほっとひと安心。
それにしても、翔くんの食いっぷりの良さは見ていて気持ちいいな。

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