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take a breather

第10章 Lotus

早速作業に取り掛かったのに…

「ねぇねぇ…おおちゃんのことどう思う?」

どう思う?どう思うって言われても…

「会っていきなり翔ちゃんって呼ばれたんでびっくりしましたけど
俺の事、伝えてあったんですか?」

「あ〜…前にね、翔ちゃんの写真を見せた事があって
その時に名前教えて、それからはおおちゃんも翔ちゃんって呼んでたから
いつものように呼んじゃったんでしょ」

「なんで写真なんか見せたんですか?」

しかも今の話の感じだと何度か話題に出てる?

「翔ちゃんの写真を見せようとしたんじゃないよ?
たまたま他の写真を見せるのにスマホの画面見せてたら
合コンした時にみんなで撮った写真があって」

「あぁ…あの時の…」

人数合わせに突然呼び出されたやつ…

あの写真、最悪だったな
馴れ馴れしく肩に手を乗せてくる女がいて
イラっとした顔で写ってたハズ…

あの写真かぁ…

どうせ見られるならもっと良い写真見せて欲しかった…

「あの時さぁ…翔ちゃんイライラしてたでしょ?」

相葉さんにもバレてたか…
突然呼び出されて行ったら合コンだったし
合コンだから当たり前なのかもしれないけど
やたらと俺に話しかけてくる人がいて
それが肩に手を置いた女なんだけど…

俺、いきなり距離詰めてくる人苦手だから
それが顔と態度に出ちゃってたんだろうなぁ…

連絡先聞かれても携帯忘れたフリして教えなかった

「バレてました?」

「うん。ほんと悪いことしちゃったなぁ、って思って見てた」

あのやり取りを見られてたのか…

こういうとこも凄いんだ 相葉さんは…

ちゃんと人の事見てて どう思ってるか感じ取ってくれる

「翔ちゃんには合コンは合わないってわかったから
あれから呼ぶのやめたんだ」

「…助かります」

言わずして理解してくれた事に感謝
先輩からの誘いじゃ断り辛い…
たとえ相手が気心の知れた相葉さんでも

「翔ちゃんって、自分で好きだと思った人じゃないと親しくなれないでしょ?」

そこもお見通しなんだ…
仕事上の付き合いでも『この人苦手…』となると営業スマイルすら出せない時がある

でも相葉さんはそれがないから尊敬する

常にスマイル

嫌な事が無いわけじゃないのに…
器がデカいんだよなぁ

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