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take a breather

第10章 Lotus

社に戻ると既に相葉さんは戻ってきていた

「翔ちゃ〜ん、ありがとう 助かったよぉ」

これでもかってくらいの笑顔で抱きつかれた

まぁ、いいんだけど…いつもの事だし

でも ほんとスキンシップが多い人だよなぁ
俺には出来ないわ…このフレンドリーなやり取り

「で?どうだった?おおちゃん」

『おおちゃん』?

あぁ…大野だから『おおちゃん』か
俺に『智くん』呼びさせるくらいだから相葉さんも名前で呼んでるかと思った

なんなら『智』って呼び捨てにしててもおかしくないんじゃないか、と…

「デザインと見積もり作って
2、3日中にまた伺う事になってます」

「そんな事はどうでもいいよぉ」

そんな事って、これがメインの話だろ…
他になにがあるんだよ

たまにあるんだよなぁ…相葉さんの言ってることが読めないこと

「あの…担当、やっぱり相葉さんがします?」

今になって惜しくなったとか?
それならそれで全然構わない

元々は相葉さんが見つけてきた話だし
まだほんの少しだけ話聞いたくらいなんだから

ここからデザインや見積もりを相葉さんがやると言うなら何の問題もない

「おおちゃんは?何か言ってた?」

「智くんは…担当は代わる必要ないって…」

そう言った瞬間、相葉さんがニヤニヤと笑い出した

「そっかそっか、『智くん』ねぇ…
やっぱり思った通りだよ」

何やらひとりで納得してますけど?
俺には理解不能過ぎる

「で?どうします?担当」

「え〜、おおちゃんが翔ちゃんご指名なら俺がやる必要ないよ
翔ちゃんにお任せ〜
すっごくいい人だからさぁ
おおちゃんのこと よろしく〜」

「はぁ…」

智くんも相葉さんも担当が俺で良いと言うならいいんだろう

取り敢えず いくつか案を考えて智くんに見てもらおう。

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