
take a breather
第1章 Now or Never
玄関を上がるとすぐそこにキッチンがあって、その奥に部屋がひとつあるだけ。
「なんかお洒落…」
「え?そう?ゴチャゴチャしてるのが嫌だからあんまり物を置かないようにしてんだよね」
絵を描くのにイーゼルを使うからそのスペースを考えると余計な物は何も置けない。
ベッドと小さなテーブル、小型のテレビが置いてあるくらい。
あとの物はクローゼットの中に全て収納してある。
「シンプルだけど、色使いがお洒落。
カーテンの色とベッドカバーの色が凄く落ち着く…」
精神を落ち着かせ集中させる色だから、カーテンもカバーもブルーを基調にしたもので揃えた。
「ありがと。
普段、絵を描くときは色々な色見るからさ、自分の部屋は統一感出して落ち着ける場所にしたかったんだ」
「さすが芸術家だね」
「だから、まだ卵にもなれてないって…
ねぇ、立ち話もなんだから、そこ座って?」
テーブル前に置いてあるクッションを指差した。
「あ、うん。ありがと」
俺も翔くんの向かい側に座った。
「智くんはあんなに素敵な絵を描けるんだから、もう立派な芸術家だよ?」
「嬉しいけどね、そう言ってくれるのは翔くんだけだから」
「じゃあ、俺が芸術家『大野智』の最初のファン?」
「かな…ファンなんて言われると照れるけど」
「やったね、また智くんの初めてになれた」
「じゃあ、もうひとつ。
俺の手料理食べる初めての人になってね?」
「えっ?初めて?まだ誰にも食べさせたことないの?」
驚きの表情で聞かれた。
「ないよ?今までそんな機会なかったし」
「そっかぁ…なんかすっごく嬉しい…」
破顔とはまさにこの事だな。
翔くんの顔に笑顔が浮かんだ。
「なんかお洒落…」
「え?そう?ゴチャゴチャしてるのが嫌だからあんまり物を置かないようにしてんだよね」
絵を描くのにイーゼルを使うからそのスペースを考えると余計な物は何も置けない。
ベッドと小さなテーブル、小型のテレビが置いてあるくらい。
あとの物はクローゼットの中に全て収納してある。
「シンプルだけど、色使いがお洒落。
カーテンの色とベッドカバーの色が凄く落ち着く…」
精神を落ち着かせ集中させる色だから、カーテンもカバーもブルーを基調にしたもので揃えた。
「ありがと。
普段、絵を描くときは色々な色見るからさ、自分の部屋は統一感出して落ち着ける場所にしたかったんだ」
「さすが芸術家だね」
「だから、まだ卵にもなれてないって…
ねぇ、立ち話もなんだから、そこ座って?」
テーブル前に置いてあるクッションを指差した。
「あ、うん。ありがと」
俺も翔くんの向かい側に座った。
「智くんはあんなに素敵な絵を描けるんだから、もう立派な芸術家だよ?」
「嬉しいけどね、そう言ってくれるのは翔くんだけだから」
「じゃあ、俺が芸術家『大野智』の最初のファン?」
「かな…ファンなんて言われると照れるけど」
「やったね、また智くんの初めてになれた」
「じゃあ、もうひとつ。
俺の手料理食べる初めての人になってね?」
「えっ?初めて?まだ誰にも食べさせたことないの?」
驚きの表情で聞かれた。
「ないよ?今までそんな機会なかったし」
「そっかぁ…なんかすっごく嬉しい…」
破顔とはまさにこの事だな。
翔くんの顔に笑顔が浮かんだ。
