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take a breather

第9章 Calling

翔のアパートに着いた

「すぐ準備してくるんで待っててください」

「ん、わかった」

翔が泊まりの準備をしている間
ブルーのいるケージを預かりタクシーの中で待っていた

「みぃ……みぃ……」

膝の上のケージの中から聞こえる寂しそうな声

「すぐ戻ってくるから」

そう声を掛けてやっても鳴き声は止まらない

「みぃ…」

さて、どうしたものか…

例え小さな鳴き声でも
ずっと鳴かれてれば運転手さんにも迷惑だよな…

しゃあない、外に連れ出すか…

「みぁっ」

ブルーの鳴き声が変わった

『ガチャ』

タクシーのドアが開く

「お待たせしました
すみません、ドライバーさん 後ろのトランク開けて貰えますか?」

「はい」

翔の手にはでかいスーツケースとスーツカバー

しかも『よいしょ』と掛け声をあげ
重たそうにトランクルームに荷物を積んだ

おいおい、どんだけのモノ詰め込んで来たんだよ…

海外旅行に行くんじゃないんだぞ?

俺なら海外だって その半分の大きさで済むな…

「ブルー お待たせ」

タクシーに乗り込むとすぐに俺の膝の上からからケージを取った

「みゃあ」

俺とふたり(?)きりの時とは全く違うご機嫌な鳴き声

なんなんだこの差は…

これからの生活 なんだか嫌な予感するのは気のせいか?

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