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take a breather

第7章 コイゴコロ

「イタタタっ!」

考え事をしていた俺は、櫻井の叫び声で意識を戻した

櫻井を見ると『准一くん』の手が櫻井のおしりに…

「相変わらず良いケツしてんなぁ」

「もうっ!それやめてくださいって言ってるじゃないですか!
本当に痛いんですからっ」

楽しそうに笑う『准一くん』に対し
櫻井は本気で痛がって身を捩るようにして逃げている

コイツかっ!櫻井に変な免疫つけた奴!

「悪りぃ、だってお前の反応が可愛いからついな
しかも、プリケツだし」

櫻井のおしりに視線を送った
確かに…って、今はそんなことどうでもいいわっ!

「櫻井、そちら どなた?」

「あっ!すみません、大野さん
こちらは俺の大学時代の先輩で岡田さん

外資系の企業に就職して、2年前にアメリカへ転勤したんです
なのにここにいたからほんと驚きました」

ニコニコと笑顔で話す櫻井
こいつ…わかってないな…

櫻井から先輩の話を聞いた時は
男同士のじゃれ合いだと思って聞いてた

でも、今 目の前で繰り広げられたふたりのやり取りを見てわかった

櫻井は先輩としか見てないんだろう
でも、岡田は違う…

コイツは櫻井を特別な目で見てる

コイツが櫻井を見る視線は愛しい者を見る眼差し

「翔、俺にも紹介してくれよ そちらの方」

そう言って俺を見る視線は真逆の眼差し…

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