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take a breather

第7章 コイゴコロ

「潤、ビールとグラス2つ」

「へ〜い」

「行くぞ、櫻井」

「え…」

櫻井の手を握りテーブル席へ向かった

「あ、はい…」

声だけで戸惑ってることが感じられる

「ははっ、可愛いね 櫻井さん
智さんだと手を繋ぐだけで照れちゃうんだ」

背後から潤の笑い声が聞こえた

ほんとに差があり過ぎなんだって…
他の奴に触られてもそのくらい敏感に察知してくれよ

警戒心がなさ過ぎ…
今時の小学生…いや、幼稚園児だってもっと警戒心持ってるぞ

テーブルに向かい合って座ると、はにかんだ笑顔を見せる

俺が手を握っただけでこんなにも照れるのになぁ…

「あのさ…」

「はい」

テーブルの上に置かれた櫻井の手の上に手を乗せた

その瞬間、ビクッとし頬を染める

うん、可愛い…じゃなくて…

「なんで俺が触れるとそんな過剰に反応するのに、他の人だと無反応なの?」

「え…なんでって言われても…
自然と反応しちゃうんでわからないです」

う〜ん…だよなぁ…

無反応なのも櫻井にしてみれば本当になんとも感じてないってことなんだろうなぁ

それを意識しろと言うのは無理な事なのか

でも抵抗しなければ相手は調子に乗るよな…
俺が見極めて名指しで気をつけさせるしかないのか?

松兄は今までどうやって魔の手から櫻井を守ってきたんだ?

てか、あの人自体魔の手だったんじゃないか?と今更ながら思えてきた

あの人、いつも櫻井に密着してたよな…

あーもう!櫻井に変な免疫つけたサークルの先輩とやら
厄介なことしてくれやがって

いったいどうしたらいいものか…

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