
take a breather
第27章 Turning Up
「もっと力を抜いて?」
翔くんにアドバイスすると、手を動かしながら小さく頷く
墨を擦ることに集中してるのがわかる
なるべく翔くんの邪魔をしないように、少しずつ水を足していく
黙ってると、このままずっと擦り続けて
肝心の字を書くことが出来なくなりそうだから、ある程度の所でストップをかけた
「翔くん、そのくらいで大丈夫だよ」
翔くんは『ふぅ〜』と息を吐いた
「どうだった?初めての墨擦りは」
「なんでしょうね…単純な作業なんですけど
ずっとやっていたくなりました
途中から墨の良い香りもして来て
本当に心が落ち着くと言うか、安らげるんですね
これだけの作業で、こんな効果が得られるなんて不思議です」
そんな感想を持てる翔くんは、やっぱり大人なんだろうな…
長年やって来た人なら、ある程度若くてもその感覚は持ってるけど
今時の若者からそんな言葉が聞けるとは思ってなかった
「翔くん、またおいでよ」
「え?」
「翔くんならいつ来ても良いからさ
自分の心と向き合いたい時とか
ちょっと疲れたなぁ、なんて思った時にね?」
「ありがとうございます
是非、来させていただきます」
嬉しそうに笑う翔くん
本当に喜んで貰えたみたいだ
「それじゃ、メインのお習字始めよっか」
「はい、よろしくお願いします」
翔くんにアドバイスすると、手を動かしながら小さく頷く
墨を擦ることに集中してるのがわかる
なるべく翔くんの邪魔をしないように、少しずつ水を足していく
黙ってると、このままずっと擦り続けて
肝心の字を書くことが出来なくなりそうだから、ある程度の所でストップをかけた
「翔くん、そのくらいで大丈夫だよ」
翔くんは『ふぅ〜』と息を吐いた
「どうだった?初めての墨擦りは」
「なんでしょうね…単純な作業なんですけど
ずっとやっていたくなりました
途中から墨の良い香りもして来て
本当に心が落ち着くと言うか、安らげるんですね
これだけの作業で、こんな効果が得られるなんて不思議です」
そんな感想を持てる翔くんは、やっぱり大人なんだろうな…
長年やって来た人なら、ある程度若くてもその感覚は持ってるけど
今時の若者からそんな言葉が聞けるとは思ってなかった
「翔くん、またおいでよ」
「え?」
「翔くんならいつ来ても良いからさ
自分の心と向き合いたい時とか
ちょっと疲れたなぁ、なんて思った時にね?」
「ありがとうございます
是非、来させていただきます」
嬉しそうに笑う翔くん
本当に喜んで貰えたみたいだ
「それじゃ、メインのお習字始めよっか」
「はい、よろしくお願いします」
