
take a breather
第27章 Turning Up
「翔くん、今日は何時まで大丈夫なの?」
「この後はバイトだけなので、6時までは大丈夫です」
「時間はたっぷりあるね
じゃあ始めようか、ここに座って?」
『こころ』の書の真正面の席を指す
「はい」
道具を持って翔くんの横に座った
「時間があるから、墨を擦るところからやってみようか」
硯を翔くんの前に置いた
「俺、やったことないかも」
「書道教室や、学校で教える時は時間がないからね
墨を擦るのは時間が掛かるから、墨的を使うことが殆どなんだ
本当は、墨を擦ることによって気持ちも落ち着くから、ここから始めたいんだけど、なかなか出来なくて」
「そうなんですね」
硯の上にほんの少し水を垂らす
「はい、これで擦ってみて」
墨を翔くんに差し出した
「はい」
翔くんは墨を受け取り、硯に向き合った
「墨を擦るのは、力は要らないんだよ?
なるべく力を抜いて擦った方が良いんだ」
「こんなに硬いのに、力を入れないんですか?」
「そう。ゆ〜っくり擦るの
だから時間が掛かるんだよ?
やってみて?」
「わかりました」
翔くんは姿勢を正すと、ゆっくりと手を動かし始めた
凛とした姿…翔くんの周りの空気まで引き締まった気がする
やっぱり翔くんは、基本的に真面目な人なんだろうな
こんな空気を醸し出せる人なんだから
「この後はバイトだけなので、6時までは大丈夫です」
「時間はたっぷりあるね
じゃあ始めようか、ここに座って?」
『こころ』の書の真正面の席を指す
「はい」
道具を持って翔くんの横に座った
「時間があるから、墨を擦るところからやってみようか」
硯を翔くんの前に置いた
「俺、やったことないかも」
「書道教室や、学校で教える時は時間がないからね
墨を擦るのは時間が掛かるから、墨的を使うことが殆どなんだ
本当は、墨を擦ることによって気持ちも落ち着くから、ここから始めたいんだけど、なかなか出来なくて」
「そうなんですね」
硯の上にほんの少し水を垂らす
「はい、これで擦ってみて」
墨を翔くんに差し出した
「はい」
翔くんは墨を受け取り、硯に向き合った
「墨を擦るのは、力は要らないんだよ?
なるべく力を抜いて擦った方が良いんだ」
「こんなに硬いのに、力を入れないんですか?」
「そう。ゆ〜っくり擦るの
だから時間が掛かるんだよ?
やってみて?」
「わかりました」
翔くんは姿勢を正すと、ゆっくりと手を動かし始めた
凛とした姿…翔くんの周りの空気まで引き締まった気がする
やっぱり翔くんは、基本的に真面目な人なんだろうな
こんな空気を醸し出せる人なんだから
