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気持ちを切り替えようと、机に問題集を広げるが
まだそこまでの回復はしていないようだ

何かに集中すれば、意識が逸れると思ったのに…

あと3日で夏休みが終わる…

その一週間後には文化祭

展示を手伝うと言ってしまったけど、どうしよう

自分で言い出した事なんだから
大野先生から声が掛かれば、手伝わなきゃダメだよな

それまでに、以前と同じ態度で大野先生に会えるようにしておかないと…


そんな俺の気持ちなんて知る由もない大野先生は、翌日にも俺にメッセージを送って来た

まぁ、内容は朝の健康観察的な物なんだけど

『今日の体調はどう？
夏休みも終わるから
あまり夜更かししないようにね』

返信をするか迷ったけど
また電話を掛けて来られても困る

簡単な返事を昼近くに返すと、俺が朝遅くまで寝てると思ったのか翌朝には…

『おはよう
いつまでも朝寝坊してちゃダメだよ？
学校が始まるんだから、いつもの時間に起きないとね』

大野先生って心配症だった？
ちょっと具合が悪くなっただけで毎日連絡して来るなんて

返信が遅くなると、また心配するだろうと思って、すぐに返信を返す

『おはようございます
もう起きてます
体調もすこぶる良好なので、ご心配なく』

『それなら良かった
明後日からは学校だね
また美術室でお茶しようね』

胸がキュッとする

数日前なら嬉しいお誘い…
でも、今の俺には複雑なお誘い

忘れなきゃいけない想いなのに
まだあの癒しの空間に心惹かれるんだ…