
take a breather
第25章 P・A・R・A・D・O・X
いくつかの作品をピックアップした
本当なら全作品展示したいくらいだけど、教室に展示しきれない
それでもこの数、小瀧が手伝っても一度に持っていける量ではないな
「これ、どうやって運ぶんですか?」
「車持ってる知人に頼むと思う」
あ、その手があったか
「じゃあ、小瀧くんには手伝って貰わないんですね」
「うん。最初から頼むつもりはなかったよ
学校での展示は手伝って貰うかも知れないけどね」
「…よければ俺も手伝いますけど」
小瀧が美術室に来た時は、無関係な立場上言えなかったけど
今はふたりきりだから、思い切って言ってみた
「ほんと?迷惑じゃない?
受験勉強、大変だろ?」
「迷惑じゃないですよ
それに大野先生の絵を観るのは、いい息抜きになるんです
気分がリフレッシュされて、勉強もかえって捗る」
「そっか…ならお願いしていい?」
「はい、喜んで」
これでまた大野先生と秘密の約束が出来た
秘密って言うほどの内容ではないけど
ふたりだけでいる時の約束なんだから、秘密でいいよね
「あっ、そういえば…俺が来る前に描いていた絵あるんですよね?
それは展示しないんですか?新作ですよね?」
「あー、あれは出さない」
「なんでです?折角、描いたのなら出せば良いのに…俺も観たいし」
「あの絵は特別だから…
大勢の人に観せたくないんだよ」
優しい微笑みを浮かべる大野先生
特別な絵って、どんな絵なんだ?
それにその微笑みの意味は?
益々気になるじゃん
本当なら全作品展示したいくらいだけど、教室に展示しきれない
それでもこの数、小瀧が手伝っても一度に持っていける量ではないな
「これ、どうやって運ぶんですか?」
「車持ってる知人に頼むと思う」
あ、その手があったか
「じゃあ、小瀧くんには手伝って貰わないんですね」
「うん。最初から頼むつもりはなかったよ
学校での展示は手伝って貰うかも知れないけどね」
「…よければ俺も手伝いますけど」
小瀧が美術室に来た時は、無関係な立場上言えなかったけど
今はふたりきりだから、思い切って言ってみた
「ほんと?迷惑じゃない?
受験勉強、大変だろ?」
「迷惑じゃないですよ
それに大野先生の絵を観るのは、いい息抜きになるんです
気分がリフレッシュされて、勉強もかえって捗る」
「そっか…ならお願いしていい?」
「はい、喜んで」
これでまた大野先生と秘密の約束が出来た
秘密って言うほどの内容ではないけど
ふたりだけでいる時の約束なんだから、秘密でいいよね
「あっ、そういえば…俺が来る前に描いていた絵あるんですよね?
それは展示しないんですか?新作ですよね?」
「あー、あれは出さない」
「なんでです?折角、描いたのなら出せば良いのに…俺も観たいし」
「あの絵は特別だから…
大勢の人に観せたくないんだよ」
優しい微笑みを浮かべる大野先生
特別な絵って、どんな絵なんだ?
それにその微笑みの意味は?
益々気になるじゃん
