
take a breather
第25章 P・A・R・A・D・O・X
「こんにちは」
「いらっしゃい」
美術準備室のドアを開くと
2年以上経った今も、変わらない笑顔で迎えてくれる大野先生
変わったのは俺…
「櫻井くん、入らないの?」
「あ…入ります」
中に入りドアを閉めると、目に入るのは部屋の片隅にある描きかけの絵
「その絵…まだ完成しないんですか?」
2年前から描いている絵…
少しずつ色が足されているが、まだ完成ではないと言う
抽象画だから、いまだに何が描かれているのかわからない
大野先生は、あの時『俺の心の中』って言ってたけど…
「うん…なかなか進められなくてね
最初から長期戦になるのはわかってたから
のんびりと進めさせて貰ってる」
のんびりしすぎじゃないか?もう2年も経ってるぞ?
進められないと言っても、こんなに時間を掛けて描くモノなのかな?
最初は淡いブルーと淡いピンクから始まった絵
少しずつ濃くなったピンクが足されていき
最近では赤に近いピンクが足された
完成した絵が観たいと思ってたけど、この絵の終着点はどこなんだろう?
何をもって完成なのかは、大野先生にしかわからないんだよな
「俺が卒業するまでには終わりそうですか?」
「そうだね…それまでには何とかしたいと思ってるよ」
ニコッと笑いかけられドキッとする
1年生の夏くらいからかな…
大野先生の微笑みに、ドキドキするようになったのは
それがときめきで
『恋』をしているからだと気付いたのは、2年生になってからだった
随分と時間が掛かったよな…
自分の想いを認識するの
二宮先生に『今更?』って思われても仕方ないのか
「いらっしゃい」
美術準備室のドアを開くと
2年以上経った今も、変わらない笑顔で迎えてくれる大野先生
変わったのは俺…
「櫻井くん、入らないの?」
「あ…入ります」
中に入りドアを閉めると、目に入るのは部屋の片隅にある描きかけの絵
「その絵…まだ完成しないんですか?」
2年前から描いている絵…
少しずつ色が足されているが、まだ完成ではないと言う
抽象画だから、いまだに何が描かれているのかわからない
大野先生は、あの時『俺の心の中』って言ってたけど…
「うん…なかなか進められなくてね
最初から長期戦になるのはわかってたから
のんびりと進めさせて貰ってる」
のんびりしすぎじゃないか?もう2年も経ってるぞ?
進められないと言っても、こんなに時間を掛けて描くモノなのかな?
最初は淡いブルーと淡いピンクから始まった絵
少しずつ濃くなったピンクが足されていき
最近では赤に近いピンクが足された
完成した絵が観たいと思ってたけど、この絵の終着点はどこなんだろう?
何をもって完成なのかは、大野先生にしかわからないんだよな
「俺が卒業するまでには終わりそうですか?」
「そうだね…それまでには何とかしたいと思ってるよ」
ニコッと笑いかけられドキッとする
1年生の夏くらいからかな…
大野先生の微笑みに、ドキドキするようになったのは
それがときめきで
『恋』をしているからだと気付いたのは、2年生になってからだった
随分と時間が掛かったよな…
自分の想いを認識するの
二宮先生に『今更?』って思われても仕方ないのか
