
take a breather
第25章 P・A・R・A・D・O・X
2年後…
俺は数少ないラッキーな人間となった
選択授業で美術を2年連続ゲット
今でも大野先生とのお茶の飲み友達の関係は続いている
そして、もうひとつ…
「櫻井、今日も美術室行くの?」
放課後、教室を出ようとした俺に
すれ違いざま担任の二宮先生が小声で話し掛けてきた
「…行きますけど」
二宮先生は、2年の時から2年連続の担任となった
「ふ〜ん…なら俺も行っちゃおうかな?」
『来なくていい』とは勿論言えない
「わざわざ俺に聞かなくても
好きにしたらいいんじゃないですか?」
毎日行ってるの知ってて、わざと聞いてるんだ
聞いてくる割には実際あんまり来る事はないんだけどね
どうせ俺の事を揶揄って楽しんでるだけなんだろ?
二宮先生は最初からそうだった…
俺がまだ自分の気持ちに気付かないうちから、俺の想いを見透かしてたんだ
俺が自分の気持ちに気付いた時には
口には出されなかったけど『今更?』って感じの態度取られたし
「そんな剥れんなよ…可愛い顔が台無しだぞ?
これから大野先生に会いに行くんだろ?」
ニヤニヤしながら言われても、馬鹿にされてるとしか思えないんですけど!
「大野先生に会う時はこんな顔しませんから、ご心配なく」
「ははっ、そうか」
ケラケラと笑ってる
「もう行きますね」
無駄な時間を過ごしたくない
大野先生と一緒にお茶出来る期間は、残り1年を切ってるんだから
「櫻井」
まだ呼び止めるか
「なんです⁈」
「頑張れよ?」
「…さようなら」
二宮先生の、応援の言葉に返事は返さず教室を出た
「……どう頑張れって言うんだよ…」
どうにもならない想いなのは、嫌ってほどわかってるのに
俺は数少ないラッキーな人間となった
選択授業で美術を2年連続ゲット
今でも大野先生とのお茶の飲み友達の関係は続いている
そして、もうひとつ…
「櫻井、今日も美術室行くの?」
放課後、教室を出ようとした俺に
すれ違いざま担任の二宮先生が小声で話し掛けてきた
「…行きますけど」
二宮先生は、2年の時から2年連続の担任となった
「ふ〜ん…なら俺も行っちゃおうかな?」
『来なくていい』とは勿論言えない
「わざわざ俺に聞かなくても
好きにしたらいいんじゃないですか?」
毎日行ってるの知ってて、わざと聞いてるんだ
聞いてくる割には実際あんまり来る事はないんだけどね
どうせ俺の事を揶揄って楽しんでるだけなんだろ?
二宮先生は最初からそうだった…
俺がまだ自分の気持ちに気付かないうちから、俺の想いを見透かしてたんだ
俺が自分の気持ちに気付いた時には
口には出されなかったけど『今更?』って感じの態度取られたし
「そんな剥れんなよ…可愛い顔が台無しだぞ?
これから大野先生に会いに行くんだろ?」
ニヤニヤしながら言われても、馬鹿にされてるとしか思えないんですけど!
「大野先生に会う時はこんな顔しませんから、ご心配なく」
「ははっ、そうか」
ケラケラと笑ってる
「もう行きますね」
無駄な時間を過ごしたくない
大野先生と一緒にお茶出来る期間は、残り1年を切ってるんだから
「櫻井」
まだ呼び止めるか
「なんです⁈」
「頑張れよ?」
「…さようなら」
二宮先生の、応援の言葉に返事は返さず教室を出た
「……どう頑張れって言うんだよ…」
どうにもならない想いなのは、嫌ってほどわかってるのに
