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take a breather

第23章 証

「だから、あんま絵莉をキュンキュンさせるような事するなよ?」

「キュンキュンって言われても…
俺、何もしてませんよ?」

「あー、だよなぁ…
お前は天然だからタチが悪い…」

「どういう…」

意味がわからない…

天然?タチが悪い?

また不安になる…
智さんに嫌われる様な事、今までして来たのかな…

「落ち込むなよ…責めてるんじゃないんだから
お前は天然の人タラシだって良い意味で言ってるの」

「人タラシ?
良い意味には聞こえませんけど」

「翔にしてみれば、当たり前の事なんだよな…
でも、お前の些細な優しさとか行動が、相手をキュンとさせちゃうんだ
さっきのスキンシップもそう」

スキンシップ?何かしたっけ?

「もしかして、頭撫でたやつ?」

「そう。あぁいう些細な行動に、お前の笑顔がプラスされると、女子はキュンキュンしちゃうんだよ」

「そんなこと…」

考えた事なかった

でも今朝、智さんに頭を撫でられた時
胸がキュンっと鳴った事を思い出した

熱くなった頬を、智さんの目から隠す様に両手で包む

「そういうのもタチが悪い…」

やっぱりタチが悪い?
智さんの言葉に不安になり
視線を上げると超至近距離に智さんの顔…

「…え?」

一瞬だけ軽く触れた唇…

「目覚めのキス…まだだったな」

「え?え?」

「行くぞ。絵莉ひとりじゃ心配だ」

「は、い…」

ほんと…智さんは人の事ばかり言うけどさ
俺より智さんの方が、絶対人のことキュンキュンさせてる…

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