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take a breather

第23章 証

「ただいま〜」

智さんが玄関を開けると、既にブルーが玄関で待ち構えていた

「いい子にしてたか?ブルー」

智さんがブルーの頭をひと撫ですると、ブルーは嬉しそうに目を閉じる

その様子を満足そうに見届けて、智さんがキッチンへ向かう

「ただいまっ、ブルー」

絵莉ちゃんもブルーをひと撫でし、智さんの後について行く

「ミャア〜」

最後に部屋に上がる俺に『おかえり』の挨拶をするブルー

「ただいま、ブルー。留守の間、変わった事はなかった?」

「ミィ」

「そう。ならよかった」

肩に載せるようにブルーを抱き上げ、ふたりの後を追った

俺がキッチンへ行くと、ふたりは仲良く手を洗っている

「まずは米だな…
絵莉がいるから、いつもより多めに焚かないと」

「わたしがお米研ぐ〜」

「お?出来るのか?」

「任せて。いつもお手伝いしてるんだから」

キッチンに3人は狭いから、今日は智さんと絵莉ちゃんにお任せだな

買い物したサラダ用の野菜を冷蔵庫に入れ
ブルーのお土産に買った、大好きな○IA○ちゅ〜○のおやつを持って、ブルーとふたりリビングへ…

ソファーに座りブルーを膝の上に乗せ、おやつの封を開ける

「お留守番、ご苦労」

「ミャ〜」

ブルーがペロペロと食べ始めると、ふたりの声が聞こえて来る

「お?上手いな、絵莉」

「でしょ〜?」

楽しそうなふたり…

最初の頃は、絵莉ちゃん相手にヤキモチなんて妬いたけど
絵莉ちゃんが俺にも懐いてくれたからか
今ではふたりだけで楽しそうにしていても、モヤモヤする事はない

それどころか、ふたりの声にホッコリとした癒しを感じる

今日1日を通して、智さんの優しいパパ振りが見られた

「絵莉ちゃんのおかげで
結果的には、家族の擬似体験が出来たかな…」

ひとり呟くと、膝の上でブルーが鳴く

「ミィ…」

「ごめんごめん。ウチの子はブルーだけだよ?」

ブルーは嬉しそうに俺の頬を舐めた

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