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take a breather

第23章 証

〈翔サイド〉

近くのスーパーに寄って、夕食の為の買い物をする

夕飯のメニューは、絵莉ちゃんご希望のカレーにサラダも添える

「絵莉、カレーは甘口がいいのか?」

智さんが、カレールー売り場で絵莉ちゃんに聞いた

「うんっ、甘口」

「今日は甘口でいいか?翔」

「はい。絵莉ちゃんに合わせましょ?」

「オッケー」

智さんが甘口のカレールーを手に取り、カゴに入れた

「翔くんごめんね?わたしに合わせて貰っちゃって
本当は辛いの食べたかった?」

申し訳なさそうに俺を見上げる

「絵莉ちゃんが辛いの食べるのは大変だけど
俺が甘いのを食べるのは何の問題もない
甘口も美味しいし…
だから、絵莉ちゃんが謝る必要ないよ」

こんなに小さいのに、人に気遣い出来るなんて偉いなぁ…女の子だからかな? 

「わたしが大人になるまでには、翔くん好みのカレーを食べられるようにするから
待っててね?」

「え?…あ、うん…」

『待ってて』って、どういう意味だろ?

絵莉ちゃんが大人になった時に、俺は絵莉ちゃんとカレーを食べる機会はあるのかな?

可能性は無くはないか…
俺が智さんと一緒にいれば、またいずれ絵莉ちゃんと会う事もあるだろう

グランドピアノを弾かせてあげるって約束もしたし…

取り敢えず『うん』って答えたら
絵莉ちゃんは、ニコッと嬉しそうに笑った

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