
take a breather
第23章 証
指切りした指を解き、立ち上がると、智さんが耳元で囁いた
「いつか…俺も連れて行ってくれよな、翔の実家」
「え?智さんもグランドピアノに興味があるんですか?」
触った事ないって言ってたし…
「違うって…」
苦笑いされてしまった…なんでだろ?
俺、何か変な事言った?
「なぁ…翔…」
俺がさっきまで弾いていたピアノの鍵盤を智さんがポーンと押した
「なんです?」
「ピアノ…持って来られないなら、買おうか…」
「え?買うんですか?」
そりゃ『また弾きたいな』とは思ったけど…
「うん、そう…
すげぇ楽しそうに弾いてたから
ピアノ好きなんだな、って思ってさ」
「好きですけど…」
俺の我儘でブルーも飼うことになったのに、ピアノまで…
「リビングなら置くスペースあるし、音も消せるんだろ?
周りの家にも迷惑掛からない」
「でも…」
「何か問題ある?」
「これ以上俺の物を増やして、智さんの家が狭くなるのは
智さんに迷惑なんじゃ…」
そう言うと、智さんは一瞬目を見開いたあと、『はぁ…』と溜息をつき、少し哀しそうに微笑んだ
「智さん?」
俺、何か落ち込ませる様な事言った?
「あの家は、もう俺の家じゃなくて、ふたりの家だろ?
あ、ブルーもいるから3人か…」
「あ…」
そんな風に思った事なかった…
あの家は今でも智さんの家で、あくまでも俺は置いて貰ってる立場だって…
「だろ?」
優しく微笑む智さんが再確認する
「…はい」
あの家はもう、俺たちの家なんだ
「いつか…俺も連れて行ってくれよな、翔の実家」
「え?智さんもグランドピアノに興味があるんですか?」
触った事ないって言ってたし…
「違うって…」
苦笑いされてしまった…なんでだろ?
俺、何か変な事言った?
「なぁ…翔…」
俺がさっきまで弾いていたピアノの鍵盤を智さんがポーンと押した
「なんです?」
「ピアノ…持って来られないなら、買おうか…」
「え?買うんですか?」
そりゃ『また弾きたいな』とは思ったけど…
「うん、そう…
すげぇ楽しそうに弾いてたから
ピアノ好きなんだな、って思ってさ」
「好きですけど…」
俺の我儘でブルーも飼うことになったのに、ピアノまで…
「リビングなら置くスペースあるし、音も消せるんだろ?
周りの家にも迷惑掛からない」
「でも…」
「何か問題ある?」
「これ以上俺の物を増やして、智さんの家が狭くなるのは
智さんに迷惑なんじゃ…」
そう言うと、智さんは一瞬目を見開いたあと、『はぁ…』と溜息をつき、少し哀しそうに微笑んだ
「智さん?」
俺、何か落ち込ませる様な事言った?
「あの家は、もう俺の家じゃなくて、ふたりの家だろ?
あ、ブルーもいるから3人か…」
「あ…」
そんな風に思った事なかった…
あの家は今でも智さんの家で、あくまでも俺は置いて貰ってる立場だって…
「だろ?」
優しく微笑む智さんが再確認する
「…はい」
あの家はもう、俺たちの家なんだ
