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他の店も覗きたいと言われ、あちこちと付き合わされた

絵莉が行く店は、俺には興味が無いものばかり

おそらく翔にとってもそうだろう…
悪い事しちゃったかな

これならウチでひとりでゆっくりしていた方が、まだマシだったんじゃ…

「あっ！これ可愛い〜
智、これ買って？」

「え？どれ？」

ゴチャゴチャと色々な物が置いてある、所謂ファンシーショップ？

値段はさっきの洋服とは違い、低価格な物が多い

その一角にあったアクセサリー売り場

絵莉が手にしていた物は、小さなハート型の石が付いた指輪だった

値段は300円

これなら買ってやっても問題ないな

「おう。いいぞ、買ってやる」

「やったぁ、ありがとう智」

洋服買った時よりも喜んでないか？
こんなに安い物で喜んでくれるなんて、思ってなかった
やっぱり値段じゃないんだな

良かった…子供らしい所があって

レジに行く絵莉の後について歩き出そうとしたが
翔がその場を動こうとしなかった

指輪の置いてある場所をじっと見つめている翔

「翔、どうした？行くぞ？」

声を掛けると、ハッとしたようにこちらを見た

「えっ…あ、はい」

「どうした？何か気になる物でもあった？」

「…いえ、無いです」

「智、早く〜」

翔の少し伏せた視線が気になったが
子供向けの物が置いてある店に、翔が欲しい物が置いてある筈ないよな

レジ前に立つ絵莉の元へ急いで向かった