テキストサイズ

take a breather

第23章 証

〈智サイド〉

絵莉に話を聞きながら駅に向かう

途中視線を感じ、翔の方を向いたら
バッチリ視線が合って
その後、思いっきり慌てた様子で逸らされた

しかも顔を紅く染めてる、なんだ?

ひとりで何を考えてた?

絵莉がいなければ問い質す所だけど
あの様子だと悪い内容ではなさそう?

それなら、いいんだけど…


電車に乗って、絵莉が事前に調べていた店に行った

「え“…これが子供服の値段?」

大人の服と同じ位する…

使う布の量は確実に少ないのに、なんでこんなに高いんだ?

「どれにしようなぁ〜」

楽しそうに次から次へと洋服を選び、鏡の前で合わせる

「んー…こっち?やっぱりこっちかなぁ…
ねぇ、智。どっちがいい?」

2枚のワンピースを持ち、俺に見せる

全然わからん…まぁ、どっちでもいいか

適当に指差した

「そっちかな」

「えー、こっち?なんでぇ?」

不満そうな顔で聞いてくる
そっちが嫌なら最初から聞いてくんじゃねぇよ、面倒くさい…

「俺もそっち…イヤ、こっちも可愛いいね」

俺の隣に立つ翔が代わりに答えてくれた

「でしょ?智より翔くんの方がセンスありそうね」

「どっちも絵莉ちゃんに似合うから、絵莉ちゃんが好きな方を選んでいいんじゃない?」

「うんっ、そうする」

なんだかご機嫌になったな…
女ってのは、これだからわからん

最初から自分の好きなやつ選べばいいんじゃねぇの?

結局、絵莉は俺が選んだものと違う方のワンピースを買って、満足した

ストーリーメニュー

TOPTOPへ