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take a breather

第23章 証

〈翔サイド〉

今日の俺は浮き沈みが激しい

絵莉ちゃんに子供の話をされ、また落ち込んだ所を
智さんに手を握られ、それだけで気持ちが上がる

子供の話は前にも出た
あれはブルーを引き取った時
『自分の子供が欲しくなりませんか?』って質問したら
『俺たちの子供はブルーだけで十分』って…

さっき『ずっと3人一緒』って言ってくれたのは、そういった意味も込められていたんだ
ブルーも含め、俺たちは家族なんだと…

手を握って優しく微笑んだ智さんの瞳が、そう俺に伝えてくれたから、俺も智さんに笑い返せた

食事中に智さんが絵莉ちゃんと買い物に行く約束をした

昼間はブルーも寝ちゃうし、今日はひとりの休日かぁ…

何しようかな…なんて考えていたのに
智さんは、最初から俺も一緒に出掛けるつもりでいてくれてた

絵莉ちゃん相手に『ヤキモチ妬いてくれないの?』なんて…

ヤキモチなんていつだって妬いてる
智さんは職場でも人気があるのに、自分でわかってない

智さんは俺の事ばかり気にしてるけど
智さんの事を熱い眼差しで見てる女性たちは沢山いるんだから

そんな人たちが智さんに近寄るだけで、俺は気が気じゃないのに…

でも、そんな素振り見せたら
智さんに嫌われるんじゃないかと思って、平静を装ってた
けど、ヤキモチ妬いてるって知られていいんだ

なんだ…今まで我慢して、ひとりでモヤモヤする事なかったな

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