テキストサイズ

take a breather

第21章 Be with you

部屋に戻ると相葉さんは既に風呂に行く準備をしていた

「翔ちゃん遅い〜」

「お前が走って行ったんだろうが…
廊下は走るなって子供の頃から言われてるだろ?」

「だってニノちゃんがひとりで寂しがってるかなぁ、って思ったらついね?」

「二宮のせいにするな
雅紀の方が寂しがってるクセに」

文句を言いながらも、風呂の準備をする櫻井さん

「バレた?」

「お前の嘘が見抜けない奴がいたら、相当なお人好しだな
ほら行くぞ、風呂」

荷物を抱え、相葉さんを見る

「は〜い。行こう、ニノちゃん」

「智、ひとりで寂しいだろうけど、我慢して待っててね」

ニヤッと笑うニノ

「そんな訳ないだろ、相葉さんと一緒にするな
気にせず、ゆっくり入ってこいよ」

「おおちゃん、何気に酷い…」

わかりやすくショボンと肩を落とす相葉さん

「あ、いや、悪気はないんで…」

悪気はないけど、つい本音が…

高校生にもなって、ひとりで待ってるのが寂しいなんてないだろ

「相葉さん、智の言葉に甘えて
ゆ〜っくり入ってきましょ?」

落ち込む相葉さんに、ニノのフォローが入った

「うん!行こう」

これまた途端に元気になるんだから
好きな人からの言葉って大きいよなぁ…

ふたりの後について部屋を出ようとした櫻井さんが、ドアの所で振り返った

「じゃあ大野、ちょっと行ってくる」

「いってらっしゃい」

「すぐ戻るな」

ニコッと笑って、たった一言そう言っただけなのに…

「…はい、待ってます」

好きな人の言葉は、やはり大きい…

さっきまで何とも思ってなかったのに
早く帰ってきて欲しいと願ってしまうんだから

ストーリーメニュー

TOPTOPへ